将来のために投資をしたいけど、自分の目的に合った方法が分からない…という方は多いですよね。
「近頃iDeCo(イデコ)やつみたてNISA(ニーサ)といった名前だけはよく聞くけど…結局なんなの?」という方からよく相談を受けます。
こんな方におすすめ
- 教員(公務員)がやってもいい資産運用を知りたい
- 漠然と「投資したい」と考えているが、自分に合う方法が分からない
- 目的はハッキリしているが、何に投資するか迷っている
記事を書いた人
現役高校教員の妻で、1級FP技能士の資格を持っています。
実は投資目的に合わせて商品を選ばないと、
教育費のはずが金額が全然足りない……
目標金額を決めていないから利益確定ポイントがわからない……
など、実際にお金を使おうと思ったときに困ることが出てきてしまいます。
本記事を読むことで、
なぜ投資をしたいのか
=目的
を明らかにし、それを達成するために
どんな投資をすればいいのか
=手段
を明らかにしていただければと思います。
目的ごとにどんな投資が向いているのかを知り、無理のない効率的な資産運用方法を学びましょう!
タップできる目次
教員(公務員)がやってもいい投資8選
- 債券
(国債・外国債・地方債など) - iDeCo
- 投資信託
(NISA・つみたてNISA) - 外貨預金
- 不動産投資
- 株式投資
- FX・仮想通貨
おおよそのリスク度、取り組みやすさといった観点から並べてみました。
(1番から順に「低リスク」「始めやすい」もの)
すべて教師が許可不要ですぐに始められるものばかりです!
7番目のFX・仮想通貨は値動きが激しく投機性が高いため、今回の記事で紹介する教育資金・老後資金を貯めるといった目的には向いていません。
「投資」とは、将来的な利益を求めて出資することです。
「投機」とは、短期的な相場の値動きに注目して資産を利益を得る方法です。
「MONEY JOURNAL」https://sure-i.co.jp/journal/management/entry-344.html
FXや仮想通貨が「投資か投機か」は意見が割れるところですが、何をするにしても根拠を持った長期投資を行いましょう!
みなさんの目的別に、向いている投資をご紹介していきます。
それぞれの商品性について初心者向けに簡単な解説をしますので、ご自身に必要なところから読んでみてくださいね。
教育資金にはコレ!
節税にはコレ!
【老後資金】には債券・iDeCo・不動産投資
近年、公的年金の受け取り年齢が上がったり満額もらえない可能性も示唆されるなど、年金制度への不安が募る方も多いのではないでしょうか。
公的年金だけに頼れない今、安定した老後のためには自助努力として資産運用していくべきです。
債券は安定性抜群!シニア世代の投資にオススメ
債券とは、国や地方公共団体などが発行する有価証券のことです。
つまり国債は日本国が発行した債券、外国債は外国が発行した債券ですね。
投資家は「国や地方公共団体にお金を貸す」ようなイメージで債券を購入します。
お金を貸している間利子が発生しますので、そのお金が投資家に返却される日(償還日)に、元本に利子がプラスされて戻ってきます。
この利子分が債券投資における利益となります。
満期である償還日まで持ち続けると元本が保証されるので、必ず元本+利子の分が手元に戻ってきます。
途中で売却して利益を狙う方法もありますが、金額が減る(元本割れする)可能性もあるので基本的には満期保有が前提です。
iDeCoは節税効果が超魅力!年金のサポートに
最近話題のiDeCoは、正式名称を「個人型確定拠出年金」といいます。
「個人型」→個人で行う
「確定拠出」→拠出する金額があらかじめ決まっている
「年金」→老後に戻ってくる
年金であるため、原則60歳以上(60歳~70歳)から受け取ることができます(一時金の選択も可)。
iDeCoの良さは、なんといっても節税効果が大きいこと!
3つの節税メリットをご紹介します。
積み立て時
掛け金が全額所得控除
=毎年の所得税と住民税が減らせる
教員は毎月の掛け金上限が12,000円です。
1年間では144,000円が全額所得控除され、毎年の税金が28,800円お得になります。
例えば25歳から60歳まで、35年間積み立てを続けるとすると、なんと100万8000円も税金が減らせるんです。
(35歳からでも72万円、45歳からでも43万2000円です!)
運用中
運用して利益が出ても税金がかからない
通常であれば、投資信託の売買利益はもちろん、預金の利息にも税金がかかりますが、iDeCoの中で運用する商品で出た利益は非課税です。
25歳から60歳まで上限の12,000円を毎月積み立て続け、年利3%で運用ができたとすると、771,753円も税金が減らせます!
受け取り時
年金なら60万円まで、一時金なら1850万円(35年間積み立てた場合)までは税金がかからない
年金として受け取るなら「公的年金控除」が適応され、一時金として受け取るなら「退職所得控除」が適応されるためです。
iDeCoとは節税対策×公的年金をサポートするための仕組み!
使わないと損!
我が家は松井証券でiDeCo口座を開設しています。
なぜなら業界トップ2社であるSBI証券と楽天証券の商品が、どちらもいいとこどりで購入できるからです。
不動産投資で家賃収入を作る!難易度やや高め
不動産投資とは、不動産(マンションなど)を購入・管理して、家賃収入や売却して利益を得る投資方法です。
老後の年金対策としても注目が集まっています。
メリット
- 不動産購入や管理の経費による赤字を給与所得と相殺することで節税できる
- 家賃収入は毎月一定のため安定した収入が得られる
- 購入代金を完済したあとは毎月の家賃収入を年金代わりにできる
- 不動産投資ローンを組む際に「団体信用生命保険」に入ると、万が一死亡した際に残りのローンがゼロになり、家族に不動産(資産)のみを相続できる
デメリット
- 購入時に大きな金額が必要なのでローンを組む必要がある場合が多い
- 入居者が減ったら家賃収入も減ってしまう
- 管理費や修繕費がその都度かかる
- 自然災害などにより不動産がダメージを受けると価格が下がってしまう
不動産投資は株式投資などに比べるとリスクが低いとは言われるものの、初期費用は数百万円~数千万円単位と非常に大きな額です。
銀行でローンを組む人も多く、そういう意味では入り口の難易度がやや高い投資だと言えますね。
不動産投資で重要なことは「良い物件を見極め、購入すること」。
良い物件とは、立地が良かったりターゲットが今後も見込めるなど、きちんと需要があるものです。
例えば私が通っていた大学では校舎の移転に伴い、それまで学生の街として栄えていた都市が一気にさびれてしまいました。
こういった需要の変化があると、入居者数が一気に減り収入減のリスクが大きいです。
まずは自分で勉強し、リスクや費用について知っておくべきですね。
不動産投資業者が行っている勉強会に参加したり、自分で本を読んでみたりして知識をつけるところからスタートしましょう。
勉強会に参加することで社員の”色”や営業スタイルが見えるため、業者選びの参考にもなりますよ!
「勉強会なんてハードル高い……」という方は、無料で資料請求もできるので情報収集から始めてみるのも〇。
投資初心者向けの資料セットや最新物件情報などの資料がもらえますよ。
「特定の業者は勧誘がこわい……」という方であれば、金融商品の販売を行っていないマネースクールが開催するセミナーがおすすめです。
講師が中立の立場なので、勧誘を受けたりせず楽な気持ちで勉強会に参加することができます。
特定の業者が実施するわけではないので変な営業を受けなくて済みます。
WEBセミナーだとさらに勧誘の心配がなく、自宅で気軽に話が聞けるのでハードルも低いですよね。
※残念なことに不動産投資は他の投資商品と異なり業者が仲介するため、初心者が騙されカモにされるケースもよく聞くんです…。
不動産投資自体は、正しく運用できれば決して悪いものではありません。
良い物件を紹介してくれる良い不動産投資業者に出会うことを第一目標にしてくださいね!
【教育資金】はリスク許容度によって商品選択を
教育資金はおよそ18年の間に貯めなければなりませんが、幼稚園から大学までに必要な金額はおよそ1000万円~3000万円と高額。
預金だけで備えるのは難しいので「どのくらいのリスクなら許容できるか」を目安に投資方法を決めていくべきです。
海外留学を視野に入れるなら外貨預金で貯めるのも◯
外貨預金とはその名の通り、日本円を外国の通貨に換えて預金するものをいいます。
金融機関にもよりますが国ごとに金利が異なり、通貨次第では日本円よりも高い金利で貯めていくことが可能です。 以下は1年満期の定期預金の例です。
SBJ銀行ー米ドル | 三井住友信託銀行ー英ポンド | 新生銀行ーNYドル |
0.6% | 0.5% | 1.5% |
ちなみに日本円の定期預金1年満期の金利は高いものでもおよそ0.2%程度です。
仮に100万円を1年間預け入れたとして、金利0.2%であれば2,000円、金利1.5%であれば15,000円になります。
教育資金は10数年単位での貯蓄が必要なので、毎年この金利差は魅力的ですよね。
預け入れたときよりも円安になっていれば、その差額を利益として受けとることもできます。
ただし当然ですが外貨預金はメリットばかりではなく、以下のようなリスクもきちんと理解しておきましょう。
デメリット
・毎日為替が変動するため、引き出すタイミングによってはマイナスになる(元本割れ)
・為替手数料が設定されておりコストがかかる
・銀行が破綻してしまった場合、保護(ペイオフ制度)がない
ペイオフ制度…
金融機関が破綻したときに預金者一人につき元本1000万円と利息が保護される制度
将来子どもを海外に留学させたい!などの希望がある方は、為替が変動してもその通貨のまま使えるという点で向いています。
NISA・ジュニアNISA・つみたてNISAを活用して貯蓄を増やそう!
オススメはNISAやつみたてNISAを使って株式投資や投資信託をする方法。
運用によって元本にプラスして利益が出るのに加え、その利益を非課税にできます。
株式投資…
特定の企業の所有権の一部を買う→ 配当金や株主優待を受ける
投資信託…
複数の企業の株式や国の債券などがパッケージングされたもの。
プロが運用してくれる。初心者向け
NISA | ジュニアNISA | つみたてNISA |
年間120万円まで×5年間 | 年間80万円まで×5年間 | 年間40万円まで×20年間 |
株式・投資信託 | 株式・投資信託 | 投資信託のみ |
スポット購入・積み立て | スポット購入・積み立て | 積み立てのみ |
NISA・ジュニアNISA・つみたてNISAはそれぞれ、配当金・分配金・運用益に税金がかかりません。
例えば、毎月3万円を18年間積み立て続けると最終積み立て金額は・・・648万円
年利率3%で運用できたとすると利益は・・・209万8000円
毎月3万円を株式・投資信託などで運用した場合、元本(648万円)+利益(209万8000円)=857万8000円 準備できることになりますね。
通常であれば20.315%の税率がかかるのでその税金は・・・ー42万6000円
通常の証券口座であれば、利益(209万8000円)から税金(42万6000円)が引かれてしまいます。
が、NISA口座であればこれがまるっと自分のものになるというわけです。
同じだけ積み立てたときに預金だと648万円しか貯まらないのに、NISAだと857万円になるってこと!!
ただし元本保証というわけではないため、毎日価格が変動します。
リスクとリターンの大きさを比較した上で選択しましょうね!
【節税】には不動産投資・iDeCo・NISAがベスト
副業の規定が厳しい教員(公務員)は副収入が得にくいため、節税ができる制度をくまなく活用しましょう!
不動産投資では経費による赤字を給与所得と相殺できる(損益通算)
iDeCoなら年12,000円×12か月=144,000円が所得控除(年間28,800円税金がオトク)
NISAなら120万円、つみたてNISAなら40万円の積み立てにかかる利益が非課税
繰り返しになりますが、iDeCo、NISA、つみたてNISAは投資を行う上でぜひやってほしいです(やらないと損!)
口座開設の申し込み自体は非常に簡単で画面に沿って進めていくだけですが、証券会社側の処理が1か月程度かかる場合もあります。
期間限定の制度になるため、先に口座開設だけでも済ませておくとムダなく活用できます!
つみたてNISAについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事【リスクあり!】教員・公務員がつみたてNISAでお金を増やすのは危険なの?
教員(公務員)は目的に合った投資で効率よく運用しよう
今回は教員(公務員)ができる投資の中で、3つの目的に合う投資方法をそれぞれご紹介しました。
教育資金にはコレ!
節税にはコレ!
副業規定が厳しい教員(公務員)だからこそ、許可の不要な投資・資産運用を十分に活用して、将来必要なお金を自分で用意しなければなりません。
みなさんが少しでも投資について考えこの記事を読んだということが、すでに将来のための資産形成の第一歩ですよ!
投資は長期で行うことが重要ですので、「思い立ったが吉日」です。
ぜひ今日のこの第一歩を大切にして、次のステップに活かしていただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!